羊しゃぶしゃぶ / 涮羊肉 1人前(つまみとビール代含む)
涮羊肉(シュアンヤンロウ、羊しゃぶしゃぶ)は、中国・北京を代表する伝統的な火鍋料理の一種であり、薄切りの羊肉を熱したスープにくぐらせて食べることで知られる。清朝時代以降、北京市内を中心に広く親しまれてきたこの料理は、新鮮なラム肉や伝統的な銅鍋の使用、濃厚なごまだれなど独自のスタイルを持つ。特に什刹海地区の老舗店では本格的な涮羊肉が提供され、冬季のご馳走としてだけでなく、多様な部位や薬味を楽しめる食体験として現代でも高い人気を集めている。
- 味評価
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色んなラム肉の部位が楽しめる。後ろ足はあっさりで非常に柔らかく仄かな臭みがクセになる。鲜切彩云红(肩腹あたり?)は、更に柔くて口の中で溶けるよう。あまりに柔らかいので、虫歯でも噛み切れる気がする。
- 価格
- 170 人民元
- 食事日
- 2025/09/24
- 食べ歩きの記録
- みんな大好きなしゃぶしゃぶ。実はこれ、昭和29年に大阪の店が中華料理「涮羊肉」を参考に開発した料理で、その本場の味を北京で実食してみたら絶品!
ラム肉は虫歯でも噛めそうなやわらかさで、脂身トロッとゴマダレでハフハフッ!
やはり海外グルメは歴史と食べると一層おいしいな。
グルメAIによる解説
起源と歴史
涮羊肉(シュアンヤンロウ)は、中国の伝統的な火鍋料理のひとつであり、「羊しゃぶしゃぶ」とも呼ばれる。特に清朝時代から北京を中心に発展し、中国北方の代表的なグルメとして広く知られる。本場北京の什刹海地区には、伝統的な涮羊肉を提供する老舗が多数現存しており、今回訪れた「清真·鸦儿李记·涮肉(银锭桥店)」もその一つである。羊しゃぶしゃぶは、清真(イスラム教徒向け)料理としても発展し、新鮮なラムやマトンを用いた高品質な肉と伝統的な銅鍋を組み合わせて提供されるのが特徴である。
調理法と特色
涮羊肉は薄切りにした羊肉を沸騰したスープで「しゃぶしゃぶ」と数回くぐらせ、好みの加減に火を通して食べる料理である。伝統的な北京スタイルでは、中央に煙突のある独特な炭火式銅鍋を使用し、スープには生姜、長ねぎ、ニンニク、干し椎茸、クコの実など、さまざまな香味素材が入る。肉には新鮮なラム肉が多く用いられ、後ろ足(後腿肉)はさっぱりとして柔らかく、脂身のバランスが良い点が評価されている。また肩腹部位(「彩云红」と呼ばれることも)など、部位ごとの違いも楽しめる。
つけダレと薬味
本場北京では、胡麻ダレ(芝麻酱)をベースに、腐乳、沙茶醤(サーチャージャン)、香菜、醤油、生ニンニク、唐辛子油などを自分でブレンドして食べるスタイルが一般的である。好みや季節によって青ねぎやパクチー、刻みピーナッツなどが加えられる場合もある。これにより、肉の旨味とスパイシーさが絶妙に調和し、熱々のラム肉と濃厚なタレの組み合わせは非常に人気が高い。
ラム肉の多様な部位
北京の伝統的な涮羊肉店では、ラムの部位ごとの違いも大きな特徴である。一般的に供されるのは肩、腿、肋、背中、腹部といった主要部位で、各部位ごとに食感や風味が異なる。特に後ろ脚肉はさっぱりとして繊維が細く、柔らかい食感が特徴的。また「鲜切彩云红」のような特別な部位は脂身が多めで、口中でとろける質感が味わえるとされる。食べ比べを楽しむため、複数の部位を用意する店も多い。
文化的背景と現代の位置づけ
涮羊肉は、中国の伝統的な冬のご馳走としても定着しており、家族や友人とともに鍋を囲む文化が根強い。宮廷料理として発展した歴史を背景に、北京では清真料理として発展し、現代でも老若男女問わず高い人気を維持している。また、近年では中国以外にも日本や韓国、モンゴルなど近隣アジア諸国や世界中の料理愛好家の間でも評価が高まり、様々なアレンジで提供されている。
健康や栄養、衛生面
羊肉は高タンパク・低脂肪で、体を温める働きがあるとされ、中国医学でも冬季の滋養強壮に推奨されてきた。また、新鮮な食材をその場で素早く加熱調理する方式のため、衛生面でも比較的安全である。特に北京の有名店では、品質管理や食材の新鮮さに細心の注意が払われている。
まとめ
北京什刹海など歴史ある街並みで味わう涮羊肉は、単なる食事を超えて地域文化や伝統、家族や友人との絆を伝える重要な役割を担っている。多彩な部位と奥深いつけダレ、独特の調理法は、食文化の発展と融合を象徴している。日本のしゃぶしゃぶの起源とも深く関わる料理として、世界各地の食卓にも広がっており、食を通じた文化交流の好例となっている。