トゥピッグ(Tupig)
トゥピッグ（Tupig）は、フィリピン・ルソン島北部を中心に親しまれている伝統的な焼き菓子である。主な材料はもち米、おろしココナッツ、砂糖、ナッツ類などで、これらをバナナの葉で包み、炭火で焼き上げるのが特徴となっている。フィリピン国内のさまざまな地域、特にイロカノ地域やパンガシナン州、パンパンガ州などで広く作られ、収穫期や祝祭、屋台市場で供されることが多い。バギオのナイトマーケットでは名物スイーツのひとつとなっており、地元住民や観光客に人気がある。また、地方や家庭によって材料や製法に違いが見られ、地域ならではの味わいが今なお受け継がれている。
- 味評価
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- 価格
- ? フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2022/12/30
- 食べ歩きの記録
- 葉に包まれた食べ物は大体美味しい説
バギオのナイトマーケットで異彩を放つグルメを発見！トゥピッグ(Tupig)と言うらしい、葉に包まれ系は今のところハズレ無し、期待。
なんと前代未聞の食感だ！ホカホカなモチなのにシャキシャキでココナッツの甘味。セブではBudbudと呼ばれてるらしい
グルメAIによる解説
特徴と歴史
トゥピッグ（Tupig）は、フィリピンのルソン島北部を中心に広く親しまれている伝統的な焼き菓子である。その語源はイロカノ語で「潰す、成形する」といった意味を持ち、もち米にココナッツやピーナッツ、砂糖を加えてバナナの葉で包み、炭火で香ばしく焼き上げる点が主な特徴となっている。
この料理はフィリピンのイロカノ地域やパンガシナン州、パンパンガ州などで特に人気があり、収穫祭やストリートフードマーケット、さらにはクリスマスや新年といった祝祭の際にもよく登場する。ルソン島以外にも、セブ島などビサヤ地方でも「Budbud」など似た菓子が存在しており、地方ごとに呼び名や材料が若干異なる。
製法と材料
トゥピッグの基本的な材料は、もち米（通称“malagkit Rice”）、おろしココナッツ（またはココナッツミルク）、黒糖もしくはパームシュガー、ピーナッツまたはごま、バナナの葉である。
調理工程は以下の通りである。
- もち米を洗い、やや水分を残して半潰し状にする。
- おろしたココナッツ、砂糖、ピーナッツやごまを混ぜ込む。
- 出来上がった生地をバナナの葉で細長く包み、炭火またはグリルで焼き上げる。生地が蒸し焼きとなり、中はもっちり、外側には香ばしい焼き目ができる。
この製法がトゥピッグ独自の食感や香り、バナナの葉のさわやかな風味を生み出す要因になっている。
食文化・バリエーション
トゥピッグはフィリピンの屋台やナイトマーケット、特に冬季や祭礼期に登場することが多い。出来立ての熱々が好まれ、地元住民や観光客にも根強い人気がある。地域や家庭によって配合する素材が異なり、中にはウベ（紫山芋）やチーズ、ピーナッツバターを加えるレシピも存在する。
また、セブ島などで見られる「Budbud」や「Suman」など似た伝統菓子との違いは、トゥピッグが炭火焼きによって表面に特有の香ばしさと焦げ目を持つ点、細長いチューブ状の見た目などである。イロカノ地域では、ピーナッツを入れて食感のバリエーションを持たせる例も多い。
ナイトマーケットとの関わり
バギオのナイトマーケットでは、トゥピッグが地元グルメの一つとして人気を博している。その場で焼き上げる様子が食欲をそそり、漂う甘い香りが市民や観光客を惹きつける。葉で包んで提供されるため、持ち帰りや食べ歩きにも適している点が、マーケットの屋台文化と非常に親和性が高い。
また、バナナの葉のまま供されることで食品の保存性も高まり、エコで伝統的なパッケージとして世界的にも評価されつつある。
栄養価と現代的なアレンジ
もち米とココナッツを主成分とするトゥピッグは、適度な糖質と脂肪分を含み、持続的なエネルギー源としても適している。ビタミンやミネラルの補給源となるココナッツやピーナッツ、消化を助けるバナナ葉の成分も特徴的である。現代ではヘルシー志向やビーガン向けに改良されるレシピも登場している。
まとめ
トゥピッグは、フィリピンの多様な食文化と伝統が色濃く反映された逸品である。バナナの葉で包み、香ばしく焼き上げるという調理法は、味わいのみならず視覚や嗅覚でも楽しませる力を持つ。バギオのナイトマーケットをはじめとするストリートフードの現場で体験できるこの郷土菓子は、現在もフィリピンのアイデンティティを象徴する存在であり、そのシンプルながら奥深い魅力は各地で愛され続けている。