パスティル


フィリピンダバオ Big Bang Park
AIによる概要
パスティルは、フィリピン南部のミンダナオ島を中心に広く食されている郷土料理である。蒸したご飯の上に味付けした肉や魚をのせ、バナナの葉で包んで提供するのが伝統的なスタイルで、特にイスラム系住民が多いバンサモロ地域などで親しまれている。携帯にも適した手軽な食事として、屋台や朝食など日常生活の中で幅広く楽しまれている。
パスティル
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地図: 発見場所
味評価
3.0/5
価格
80 フィリピン・ペソ
食事日
2024/02/14
食べ歩きの記録
フィリピン料理っぽくない?
と思ったら、ミンダナオ島発祥のハラル料理、パスティル(パテール)だった。脂が乗ったビーフはジューシーで、ピリッとスパイスが効きご飯に夢中!イスラム教徒が多いミンダナオ島ならではの味もあると知り、またフィリピンへ行く理由を見つけ、さて仕事頑張ろ

グルメAIによる解説


概要

パスティル(Pastil、またはPater)は、フィリピン南部ミンダナオ島を中心に広く親しまれている伝統的な料理であり、とりわけイスラム文化圏であるバンサモロ地域の代表的な郷土食の一つである。特にダバオを含むミンダナオ北部・南部や、マギンダナオ、コタバトなどの都市で日常的に食されている。パスティルは、蒸した白米またはターメリックなどで色付けされたご飯(「カカニン」系統)に、味付けした肉(主にビーフ、チキン、時に魚介類)をトッピングし、バナナの葉で包んで提供されるのが特徴となっている。

起源と文化的背景

パスティルの起源は、ミンダナオ島特有のイスラム系諸民族、特にマギンダナオ族やマラナオ族の食文化に根付いている。その歴史は数世紀前に遡るといわれており、元来は携行食として発展した。イスラム教徒(ムスリム)住民の割合が高いこの地域では、ハラールに準じた調理法が重んじられ、豚肉は用いられない。お祝い事やラマダン明けなど、特別なシーンでもふるまわれるが、昨今では屋台や市場、学校の売店や家庭の朝食としても一般的である。

調理法と主な具材

パスティルは基本的に以下の手順で作られる。

  • ご飯の準備:ターメリック(ウコン)やココナッツミルク、時にカラマンシー(柑橘類)で風味付けしたご飯を用いることが多い。
  • 具材:もっとも伝統的なのはシュレッダー状の味付けチキン(パステル・ナ・マノック)やビーフ(カリンデレータなどの応用)であるが、魚や卵を使うバリエーションも存在する。ソヤソース、にんにく、玉ねぎ、スパイスで調理し、しっとりとした食感にまとめる。
  • バナナリーフで包む:日本のちまきにも通じるスタイルで、包み蒸しや保存に適しているため、持ち運びやすく屋外でも食べられる。

現代フィリピン社会とパスティル

パスティルは現在、ミンダナオ島のみならずフィリピン全域の都市でも見かけられるようになりつつあり、ハラル対応のファストフードやストリートフードとしても浸透している。価格も手頃で、働く人々や学生のランチタイム、朝食など日常の手軽なエネルギー源として愛されている。また、バナナリーフ包装によりプラスチックごみを減らせる伝統的な食文化としても再評価されているほか、観光客向けに味付けや内容を工夫した創作パスティルも登場している。

関連する類似料理

パスティルは東南アジアや南アジア各地にみられる「料理を包む」伝統と共通点が多い。マレーシアやインドネシアの「ナシ・レマク」「ナシ・ダウ(ナシ・ダガン)」、日本の「おこわ」「ちまき」などとも調理技法や文化的役割に共通性が見られる。また、西洋のピロシキやPastel(スペイン、ラテンアメリカ圏)のような「具材を包む」料理文化とも異文化交流の可能性を示している。

ミンダナオとイスラム文化

ミンダナオ島の特色には、イスラム教が根付いた民族文化、独自の言語や儀礼、そしてハラール料理という三位一体がある。パスティルはそれを象徴する料理であり、旅行者がミンダナオ地方ならではの歴史や多様性を味わうきっかけとなる。現地におけるパスティルの食体験は、おいしさのみならず、社会と文化背景へのまなざしを提供する重要なローカルフードである。