ウボド/Ubod
ウボド(Ubod)は、フィリピンを中心とする東南アジア地域で広く利用されているココヤシ(Cocos nucifera)の新芽、いわゆる「ココナッツのハート」(heart of palm)を指す食材である。フィリピン各地の家庭やレストランでさまざまな料理に用いられており、独特の食感とさっぱりとした淡い甘みが特徴とされる。ウボドは特にフィリピン料理において重要な役割を担っており、生春巻きや炒め煮、サラダなど、多彩な調理法で親しまれている。
- 味評価
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ココナッツの新芽の料理。食感はたけのこに近くシャキシャキ。塩分控えめで甘い味付け、少しミルクっぽさも。若干渋みあり。
- 価格
- 60 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/04/27
- 食べ歩きの記録
- 日本人に合うフィリピン料理、ウボド(Ubod)をバコロドの北、シライで発見。
ココヤシの新芽の料理で、タケノコによく似たシャキシャキ食感。塩味ほんのりのミルク感ある味付け。
これ、みりんや醤油で味付けすれば、日本食レストランでタケノコ料理として出してもバレない説あるぞ!?
グルメAIによる解説
ウボド(Ubod)の概要
ウボド(英語表記:Ubod)は、東南アジア、特にフィリピン料理で用いられるココヤシ(Cocos nucifera)の新芽、いわゆる「ココナッツのハート」(heart of palm)を指す食材である。ウボドは、その独特の食感とさっぱりとした甘みを特徴とし、伝統的にはフィリピン各地のローカルレストランや家庭で様々な形で調理されている。
植物的特徴と収穫方法
ウボドはココヤシの成長点部分であり、この部分を収穫すると木は成長を止めるため、収穫は資源管理の観点から慎重に行われている。ウボドは乳白色でやや繊維質、シャキシャキした生感があり、たけのこやヤシタケ(palmito)に近い食感である。フィリピンの他、インドネシアやマレーシアでも“heart of palm”は食用されているが、「ウボド」という名称と食文化は主にフィリピンで独自に発達したものである。
伝統的・現代的な調理方法
ウボドはフィリピン料理では“Fresh Lumpia”と呼ばれる生春巻きの具材や煮込み料理、サラダの素材として人気がある。とりわけ、バコロドやシライといったネグロス地方ではココナッツの新芽そのものをシンプルに味付けして提供するのが一般的である。下ごしらえとして軽く茹でるか、またはそのまま千切りにして用いられる。
- Lumpiang Ubod:ウボドをたっぷり巻いた生春巻き。ガーリックの効いたソースやピーナッツソースで食される。
- Ginisang Ubod:ウボドの炒め煮で、豚肉やエビなどと合わせて甘めの味付けにする。
- サラダ:ココナッツミルクやビネガー、香味野菜と合わせてサラダとしても提供される。
調味には塩、砂糖、ココナッツミルク、生クリーム、時にビネガーなどが用いられ、日本人にもなじみやすいまろやかでややミルキーな仕上がりが特徴である。
栄養価と食文化的価値
ウボドは低カロリーで食物繊維が豊富な健康食品でもある。カリウムやビタミンCなど微量栄養素も含み、フィリピンでは「胃にやさしい野菜」として親しまれている。他方、都市部や富裕層向けのレストランでは、現地の伝統を活かしたヘルシーメニューとして評価されている。
歴史的背景と地域性
ウボドの伝統はスペイン統治時代からの影響も見られ、フィリピン各地の植民地料理でココヤシ資源が活用されてきた歴史がある。とりわけ西ビサヤ地方やネグロス島一帯では、ココヤシの栽培が盛んであり、ウボドはその副産物として日常の食卓に浸透している。
また、フィリピンの植民地・交易史において「ハート・オブ・パーム料理」はラテンアメリカやスペインの料理文化とも関連性が指摘されているが、ウボド自体はフィリピン独特の名称と調理技法で発展してきた。
類似食材・国際的な位置付け
ウボドは、世界的にはラテンアメリカの「palmito」や「chonta」(南米)のheart of palmと同じ素材に位置づけられるが、アジア圏ではたけのこ、中国の龍牙菜(バンブーシュート)などと食感が似ていることから、代替食材として日本や中国など他国でも利用が可能と考えられる。調味を日本風や中華風にアレンジする例も現地で徐々に見受けられるようになっている。
まとめ
ウボドはフィリピンにおける伝統食材であり、特にビサヤ地方をはじめとした地域で日常的に食されている。繊維質で歯ごたえが良く、クセの少ない味わいは、日本人を含めた外国人にも親しみやすい。また、その栄養価やヘルシーさにも注目が集まっており、今後も国際的な市場で新たな需要が期待されている。