チキンイナサル Paa(鶏の足)
チキンイナサルPaa(鶏の足)は、フィリピン・西ビサヤ地方のバコロド市を中心に親しまれている伝統的な炭火焼きチキン料理である。イナサルは現地語で「炙り焼き」や「ロースト」を意味し、その調理法ならではの香ばしさと独特の風味が特徴となっている。Paaとは鶏の脚部(もも肉)を指し、ジューシーで旨味のある骨付き肉が使用されることが多い。ネグロス島西部、特にバコロド市内の多くの専門店や屋台で提供されており、地元住民や観光客の間で高い人気を誇る。
- 味評価
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濃厚な甘辛ダレがしっかり染みてジューシー。甘めだがほのかに酸味とスパイシーさも絶妙な割合で溶け込んでいる。脂たっぷりで絶品。
- 価格
- 110 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/04/27
- 食べ歩きの記録
- フィリピン・バコロドへ来たなら?
絶対に外せない伝統料理チキンイナサル。いざ噂の名店へGO!メニューが読めなかったので、店員に聞きPaa(鶏の足)を注文。
甘辛でコクあるタレが奥までジュワッと染み、心も染みる。スパイシーさと酸味で我が人生を想う。ビールでもうどうでもよくなる。
グルメAIによる解説
チキンイナサルPaa(鶏の足)の概要
チキンイナサル(Chicken Inasal)は、フィリピンの西ビサヤ地方、特にバコロド市を中心としたネグロス島に発祥を持つ、炭火焼きチキンの代表的な料理である。イナサル(Inasal)という言葉自体は現地の言語ヒリガイノン語で「ロースト」「炙り焼き」を意味し、その調理法の特徴を端的に示している。なかでも「Paa」とは鶏の脚部(太ももと脚肉)を指し、骨付き肉のジューシーな部位がよく使用される。
起源と地域的特色
チキンイナサルの発祥は、ネグロス島西部、特にバコロド市に強く結びついている。20世紀半ばから屋台や家庭料理として人気を博し始め、やがて「イナサル通り」と呼ばれる専門店街や「Manokan Country」のようなイナサル専門フードコートが形成されるほどの食文化となった。フィリピン国内外でも「Chick Inasal」はバコロド由来の味として認知されているが、バコロドにおける伝統的な調味と調理法にこだわる老舗が特に評価されている。
調理法と味付けの特徴
チキンイナサルの調理は、事前のマリネ(下味漬け)から始まる。その主な調味料は、カラマンシー(フィリピン原産柑橘)、ビネガー、ニンニク、レモングラス、塩、ブラックペッパー、そして「アナトーオイル」と呼ばれるアチョテ(ベニノキの種)を用いた色鮮やかなオイルである。これらの調味料に漬け込むことで肉は独特の香りと深みのある味わいを持つようになる。焼き工程では、炭火を使用しつつ途中何度もアナトーオイルを表面に塗り、照りと香ばしさを与える。ほのかな甘みと酸味、さらにはコショウや唐辛子由来のスパイシーさなど、複雑な風味が特徴である。
Paa部位の文化的な魅力
Paa(鶏の足)は、イナサルの中でも特に人気のある部位である。身が厚く脂のりも良いため、漬けだれの旨みや炭火の香ばしさが存分に染み込みやすい。また、骨からにじみ出る出汁が味に深みを加え、噛み応えのある食感とともにフィリピン料理の醍醐味を体感できる。地元では供される際、鶏を串刺しまたは竹製の棒に刺してグリルする手法が一般的である。
食べ方とサイドディッシュ
伝統的には、ご飯(通常はガーリックライスや「イナサル・ライス」と呼ばれるオレンジ色の米)が共に供され、別添えのビネガーや醤油、刻み唐辛子、カラマンシーで自分好みに味を調整する風習がある。Aida's Chickenのような老舗では、濃厚なタレの風味と炭火の香りがご飯とともに楽しめるよう工夫されている。また、地元ではサンミゲルビールとのペアリングが一般的に親しまれている。
国際的な広がり
近年、チキンイナサルはフィリピン全土のみならず海外にも広がりを見せている。アメリカ合衆国やカナダ、シンガポール、オーストラリアなどのフィリピン系レストランで提供されることが増え、現地在住フィリピン人や東南アジアグルメファンからも支持されている。また、サンミゲルビールと共に味わうスタイルや屋台文化は、現地の雰囲気を広く伝えている。
健康・栄養面
チキンイナサルPaaは炭火での調理により余分な脂が落ちつつ、たんぱく質が豊富な一品である。同時にアナトーオイルやカラマンシーからビタミンC・E、抗酸化成分も摂取できる。甘辛ダレには砂糖や油分も含まれているため、食べ過ぎには注意が必要であるが、伝統的なフィリピン料理の中では比較的バランスの取れた一品と言える。