カンシ/Cansi/Kansi
カンシ(Cansi、Kansi)は、フィリピン・西ビサヤ地方を中心に親しまれている牛肉を使った伝統的なスープ料理である。特にネグロス島バコロドやイロイロなどの都市で広く食されており、牛骨の旨味とともにフルーツ由来の酸味が特徴となっている。カンシは現地の食材と調理技法を生かした郷土料理として、多くの家庭や飲食店で提供されている。
- 味評価
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非常にこってりしたビーフスープ、でもとても酸っぱいスープでゴクゴク飲める。酸味とビーフの旨味、程良い塩分で深い味わい。迫力ある牛の骨と柔らかい肉。ご飯とビールによく合う。
- 価格
- 320 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/04/28
- 食べ歩きの記録
- フィリピン・イロイロ発祥の料理、カンシ(Cansi)はまるで、ブラロとシニガンのロマン合体料理。
スープはすっごく酸っぱいのに、こってり煮込まれたビーフの旨味で絶妙バランス。トロッと煮込まれた牛肉でビールは水へ!白飯は飲み物へ!
グルメAIによる解説
カンシ(Cansi)の概要
カンシ(Cansi、Kansi)はフィリピン・西ビサヤ地方、特にイロイロおよびバコロドを中心としたネグロス島の伝統的なビーフスープ料理である。本料理はフィリピン国内でも独自の発展を遂げ、「ブラロ(Bulalo)」と「シニガン(Sinigang)」の要素を組み合わせた料理としばしば評される。豊富な牛骨と肉、そして特徴的な酸味が組み合わさることで「酸っぱいビーフスープ」という個性を放っている。
歴史と起源
カンシの起源はイロイロ市、及びバコロド市とされる。もともと地元の食材を活かした家庭料理として発展してきた。スペイン植民地時代の影響を受けつつも、フィリピン在来の調理法、特に「スープに酸味を加える」文化が表れている。Kansiの名は現地語であるヒリガイノン語に由来する。
地域ごとのバリエーション
バコロドとイロイロでは調理法や具材選びに若干の差異がみられる。しかし、大きな牛骨や骨髄の使用、そして強い酸味の付与が共通点となっている。また、近年は専門店が現れ、都市圏を中心にアレンジレシピも増加傾向にある。
主な材料と特徴的な調味料
- 牛の骨付き肉・骨髄(主役の食材であり、その出汁が味の基礎を成す)
- バトワン(Batwan)もしくはタマリンド:酸味を生む伝統食材。バトワンは西ビサヤ特有の酸味フルーツ
- その他:レモングラス、唐辛子(加える地域もあり)、ジャガイモ、パンノキの実、時にとうもろこし等。
バトワンの果実が手に入らない場合は、タマリンドやカラマンシの果汁を使うこともある。これにより、東南アジアの酸味系スープに類似する味わいが実現する。
調理法の概要
牛肉・骨の下処理: 十分な灰汁抜きと下茹でにより、濁りのないスープを目指す。
長時間の煮込み: 骨髄から旨味とコラーゲン分を抽出するため、数時間にわたりじっくり煮込む。
酸味の調整: 途中でバトワンやタマリンドを加え、味を整える。家庭や店舗ごとに仕上げの差があり、酸味の強さはシェフの個性が反映される。
伝統的な食べ方と文化
カンシは白飯とともに提供されることがほとんどで、しばしば冷えたビールが食卓を彩る。牛骨の髄を小皿に取り出して食べたり、肉とスープを交互に楽しむ食べ方が一般的である。地元の祝祭・親戚の集まりなど、特別な機会や外食でよく見かける一品である。
他料理との比較
料理名 | 主要食材 | 特徴 |
---|---|---|
ブラロ | 牛骨・キャベツ・コーン | あっさり塩味で酸味はない |
シニガン | 豚肉・魚他、タマリンド | 強い酸味、肉以外にも多様な具材 |
カンシ | 牛骨・バトワンなどの酸味果実 | 濃厚な牛だし+強い酸味の独特なバランス |
現代におけるカンシの位置付け
カンシは、地域色豊かな伝統の味としてフィリピン国内外で再評価が進んでいる。特にバコロドやイロイロを訪れる観光客の間で人気料理となっており、地元文化と味覚の融合を象徴する一品として定着している。現地では専門店や大衆食堂の看板メニューであり、近年は都市部のガストロパブや高級レストランのメニューにも並ぶ場面が増えている。