グアップルパイ/Guapple pie 1切れ
グアップルパイ(Guapple pie)は、フィリピン・ネグロス島を中心に親しまれている焼き菓子である。特にバコロド市やその周辺で知られ、現地で栽培される“グアップル”と呼ばれる大ぶりのグアバを主要な具材として使用している点が特徴である。西洋由来のアップルパイの製法をもとに、グアバの果肉を詰めたフィリングをパイ生地に包んで焼き上げており、フルーティーな香りと独自の味わいが楽しまれている。地元の伝統的なベーカリーで提供されることが多く、観光客や地域住民の間で人気のデザートとなっている。
- 味評価
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赤い果実なので見た目が少し気になるが、カスタードのような甘い香り、アップルパイを思わせる香りと食感。グアバの控えめな甘味に大人の酸味が加わり、絶妙に完成されている。
- 価格
- 50 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/04/29
- 食べ歩きの記録
- フィリピンの激レアスイーツ、グアップルパイを求めてバコロドの北、シライへ!
100年超の歴史があるベーカリー、El Idealが開発したお菓子で、端的にグアバ版アップルパイ。カスタードアップルパイにグアバの甘酸っぱさが加わり、ユニークで大人な味。この写真だと崩れているのが無念。
グルメAIによる解説
概要
グアップルパイ(Guapple pie)は、フィリピンの伝統的な菓子のひとつであり、特にネグロス島のバコロド市やその周辺都市で親しまれている。グアップルとは、グアバ(guava)とリンゴ(apple)を掛け合わせた造語であり、実際には特定の品種のグアバ(Psidium guajava)がフィリピンで“guapple”の名で流通している。伝統的なアップルパイの手法を応用しつつ、リンゴの代わりにグアバ果肉を用いて調理される点が最大の特徴である。
起源と歴史
グアップルパイの発祥は、フィリピン・ネグロス島の北部に位置するシライ市にあるEl Ideal Bakeryである。同店は1920年代創業の老舗ベーカリーであり、かつてから洋菓子やフィリピン独自の焼き菓子を提供してきた。グアップルパイは地元で採れるグアバを有効活用する目的から開発された。グアバはフィリピンの温暖な気候でも良く育つ果実の一つであり、その鮮やかな色合いと独特の香味は菓子作りに好適である。El Idealのグアップルパイは、シライやバコロド周辺において観光客や地元の人々に高い人気を得ている。
材料と製法
伝統的なグアップルパイの主な材料は、グアバ、小麦粉、砂糖、バター、卵、牛乳などで構成されている。一部レシピでは、カスタードクリームを加えることでコクとまろやかさを演出する。グアバ果肉は煮詰めることでゼリー状の食感としっとりとした舌触りに仕上げられ、甘味と酸味の絶妙なバランスが特徴である。表面にはクランブル(そぼろ状のトッピング)が用いられることも多く、焼成済みのパイ生地の上に敷き詰めたグアバフィリングとクランブルの対比が楽しまれる。
味わいと食文化
グアップルパイは、グアバ特有のフルーティーでわずかに酸味を帯びた味わいと、砂糖と乳製品由来の甘みにより、一般のアップルパイとは異なる層の複雑な香りや風味を楽しむことができる。グアバ果肉のピンク色とパイ生地のきつね色との色合いも特徴である。食感はサクサクとしたパイの部分と、滑らかでややねっとりとしたフィリングが組み合わさる。El Idealのグアップルパイは、現地を訪れる観光客によるお土産や、地元の人々の特別な日のデザートとして親しまれている。
グアバとその栄養価
グアバはビタミンCやカリウムを豊富に含んでおり、食物繊維や抗酸化成分(リコピンやポリフェノール)も多いことで知られる。フィリピン国内では生食のほか、ジュースやジャム、スイーツなど多様な用途で活用されてきた。パイに使用された場合は、加熱処理によってグアバの風味がまろやかになり、スイーツとしての新たな魅力が引き出される。
関連する菓子と地域性
グアップルパイはアップルパイやクランブルパイなど欧米の焼き菓子文化と、フィリピン在来の果物文化の融合例といえる。また、フィリピンではバナナパイやマンゴーパイなど地元産の果物を活かした類似のスイーツも多く、各地で気候や風土に沿った独自パイ文化が発展している。グアップルパイは、そのなかでも特に“洋菓子らしさ”と“ローカルの個性”を調和させた希少な存在である。
現代の普及状況と入手性
グアップルパイは、ネグロス島北部のEl Idealのような現地老舗ベーカリーでしかほとんど見かけることがなく、国内外での流通は限定的である。このため“激レアスイーツ”として話題になりやすく、現地を訪れる旅行者にとって一度は味わってみたい一品となっている。