レチョンカワリ / LechonKawali
レチョンカワリ(Lechon Kawali)は、フィリピンを代表する豚肉料理である。主に皮付きの豚バラ肉を塩や香辛料などで下茹でした後、高温の油でカリッと揚げることで、外側は香ばしく、内側はジューシーな食感を楽しめる点が特徴となっている。フィリピン国内の家庭や飲食店で広く親しまれており、専用のソースや酢・唐辛子などの付け合せとともに供されることが多い。派手な焼き豚料理「レチョン」とは異なり、手軽に作れる日常的なメニューとして定着している。
- 味評価
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豚バラをカリカリに揚げたやつ。脂と肉のバランスが良く、外側カリッと中はジューシーで肉感も楽しめる。誰にでもオススメできる無難な肉料理。グレービーソースは甘みがあり結構合う。
- 価格
- 198 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/04/30
グルメAIによる解説
概要
レチョンカワリ(Lechon Kawali)は、フィリピン料理を代表する豚肉料理の一つである。豚バラ肉(通常は皮付き)が主な材料として用いられ、ボイルした後に皮がカリカリになるまで高温で揚げることで、外側はサクサク、内部はジューシーな食感に仕上がる。発祥地は特定されていないが、首都圏マニラをはじめとしてフィリピン全土の家庭やレストラン、カレンデリア(大衆食堂)などで広く食されている。派手な調理法とシンプルな塩味を基本とし、付け合わせとして各地域のオリジナルソースやグレイビー、または酢・ニンニク・唐辛子等のディップが添えられることが多い。
歴史と文化的背景
レチョンカワリは、名前の「レチョン」がスペイン語で「ローストした豚」を意味し、「カワリ」はフィリピン語で鉄鍋(カワリ=wok)を指す。そのため、直火焼きや串焼き形式の「レチョン」と区別して、揚げる手法を特徴としている。スペイン植民地時代の影響を色濃く受けているが、揚げ物文化自体は中国系住民の伝統とも結びつく。祝い事や特別な集まりでよく供される「レチョン」から派生した、家庭でも手軽に作れる人気メニューとして普及した経緯がある。ミンダナオ、ビサヤ、ルソンといった地域ごとに微妙なアレンジや好みの違いがある点も特徴である。
調理法の詳細
手順 | 内容 |
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1. 下茹で | 豚バラ肉(皮付き)を、塩・胡椒・ロリエ(ローリエ)・玉ねぎ・にんにく等と共に柔らかくなるまで下茹でする。 |
2. 乾燥 | 茹で上がった肉を十分に冷まし、キッチンペーパーや冷蔵庫で表面の水分をしっかりと飛ばす(皮のカリカリ感を出す重要な工程)。 |
3. 揚げ | 高温の油(180~200℃)で皮目から揚げる。全体が均一にきつね色になり、皮がポップコーンのようにパリパリになったら完成。 |
仕上げたレチョンカワリは食べやすくカットして盛り付け、グレービーソースや、「レチョンソース(サルサ・デ・レチョン / マンガト)」と呼ばれるレバー入りの甘めソース、または酢醤油などが添えられる。イロイロなど一部地域では地元産のカラマンシーや特製のスパイシーダレを用いることもある。
栄養価・健康面
レチョンカワリは多量の油と豚バラ肉を使用するため、カロリーや脂質が高めである。皮にはコラーゲンが多く含まれているが、一般的に高脂肪食として位置づけられる。一方で、たんぱく質やビタミンB群、鉄分も含まれており、適量であればエネルギー補給や栄養バランスへの寄与も期待される。フィリピン国内では、揚げ物が多い現代食生活の中で、近年は食べ過ぎに注意を促す声もある。
国際的広がりと現地バリエーション
レチョンカワリは、海外のフィリピンレストランや移民コミュニティでも人気が高い。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどフィリピン系移民の多い地域では、現地食材や調理機器の工夫を凝らしつつ提供されている。また、近年ではヴィーガン向けやノンフライ調理(オーブンローストやエアフライヤー使用)などの変化球レシピも誕生している。
まとめ・関連料理
- 「レチョン・バボイ」…豚の丸焼きで、フィエスタや結婚式など大規模な祭事に供される。
- 「クリスピー・パタ」…豚足を同様に茹でてから揚げたもの。よりコラーゲンが豊富。
- 「バゴーン」などの発酵ソースと合わせて食べる地域もある。
レチョンカワリは「シンプルでありながらも奥深いフィリピンの食文化」を体現した料理の一つである。現地では主食のライスと共に供され、家庭の味や外食グルメとしても、多くの人々に親しまれている。