ピアヤ/Piaya 5枚
ピアヤ(Piaya)は、フィリピン中部のビサヤ地方、特に西ネグロス州を代表する伝統的な焼き菓子である。薄いパイ生地の中に黒砂糖を主成分とする餡が包まれ、円盤状に焼き上げられるのが特徴で、独特の香ばしさと素朴な甘さが好まれている。現地では朝食や軽食、おやつとして広く親しまれており、地域の名産品や土産品としても人気が高い。フィリピン国内ではバコロド市やイロイロ市などで多く生産・消費され、近年は多様なフレーバーも登場している。
- 味評価
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円形の薄い焼いたしっとりめなサクサク小麦パイ生地。表面には砂糖が塗られてツヤがある。全体的にやわらかい甘さで、小麦生地と砂糖の甘さ両方を純粋に楽しめる。薄い甘い餡が挟まっており、パンとクッキーの間のような食べ心地。
- 価格
- 32.5 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/05/01
- 食べ歩きの記録
- 休日にめっちゃ食べたい、ネグロス島発祥のお菓子、ピアヤ(Piaya)
小麦と砂糖の味をシンプルに楽しめる、やさしい甘さのサクサクパイ生地。手軽につまめるので休日にピッタリ!なんと中の餡はネグロス伝統の黒糖、マスコバド糖とのこと。
なんだろう、ピアヤってめっちゃホリディな味!
グルメAIによる解説
ピアヤ (Piaya) の概要と歴史
ピアヤ(Piaya)は、フィリピン・西ネグロス州(Negros Occidental)を中心に生まれた伝統的な焼き菓子である。特にバコロド市発祥のお菓子として知られており、近年はイロイロをはじめビサヤ地方全域、さらにはマニラなどフィリピン全国で親しまれている。
ピアヤの起源は20世紀半ば、サトウキビ産業で栄えたネグロス地域の特産物「マスコバド糖」(未精製の黒糖)を有効活用するために生まれたといわれている。フィリピンの農業経済と密接に結びついている点も特徴で、砂糖の一大産地であるネグロス島ならではの菓子文化が反映されている。
特徴と製法
ピアヤは直径10cm前後、厚さ0.7~1cmの円形で、外観は薄く焼き色がついたパイ生地が特徴。生地の内側には、マスコバド糖または黒糖、小麦粉、時にごまやカラメル状シロップを練り合わせた薄い餡が挟まれている。
生地は小麦粉、酢、食塩、ラード(またはマーガリン・バター)、水を混ぜて練り、薄く伸ばすことでサクサク感としっとり感を両立。表面には砂糖が塗られ、光沢が生まれる。
餡を包み込んだ後、高温で短時間グリドル(鉄板)や専用オーブンで焼き上げる。表面のきつね色とほのかな香ばしさが食欲をそそる。
バリエーションと派生商品
従来のピアヤは黒糖餡が主流だが、近年はピナットバターピアヤ(ピーナッツバター入り)、ウベ(紫芋)、チョコレート、マンゴーなど多様なフレーバー商品も登場し、観光土産・おやつとしての人気も高い。ごま付きやココナッツフレーク入り、レーズンピアヤなどのバリエーションも現地では楽しまれている。
文化的背景と食の現況
ピアヤは、単なるお菓子ではなく、ネグロス地域のアイデンティティを象徴する食文化の一端を担っている。収穫期や祭り、家庭の集まりなど、特別な日やティータイムに「おやつ」としてふるまわれることが多い。
一方、焼きたての香ばしさと素朴な甘さが評判となり、都市部や観光スポットでは専門店、屋台、空港売店などで手軽に入手可能である。しばしば1枚単位で小売され、フィリピン各地の庶民にとっても身近な伝統菓子と言える。
国際的な広がり
海外フィリピン人(OFW)コミュニティを通じて、アメリカやカナダ、中東、香港、シンガポールなど海外フィリピン人街でピアヤが販売されるケースが増え、現地在住者の郷愁を誘う菓子としても評価が高い。また、近年のフィリピン観光ブームやSNS普及の影響で、旅行者による発信や食品展示会などを通じて、ピアヤの認知度は国際的にも拡大中である。
栄養的側面
ピアヤは比較的シンプルな材料で作られるため、エネルギー源として優れている。原材料のマスコバド糖にはミネラル分が含まれ、市販の精白糖より栄養価がやや高いことも特徴である。一方、糖分や脂質も多いため、過剰摂取には注意が必要と言える。
まとめ
ピアヤはネグロス島発祥の素朴な焼き菓子として、フィリピン国内外で長く愛され続けている。郷愁と誇りの味が詰まったピアヤは、旅の記憶や現地の豊かな食文化の象徴とも言える存在となっている。