イェマ / Yema
イェマ(Yema)は、フィリピンを代表する伝統的な菓子で、主にコンデンスミルク、卵黄、砂糖を使用して作られる。スペインによる植民地支配の影響を受けて誕生したとされ、「イェマ」はスペイン語で「卵黄」を意味する。キャラメル状の濃厚な甘さとまろやかな食感が特徴で、地域や家庭によって見た目や味に違いがみられる。イェマは全国各地で広く親しまれており、空港や市場、路上の小売店などで手軽に入手できることから、お土産や子どものおやつとして人気が高い。
- 味評価
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一言でトロリとジャリっとした生キャラメル。ぜひコーヒーと紅茶が欲しい。ただ非常に甘いので1個で満足。
- 価格
- 20 フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2025/05/06
- 食べ歩きの記録
- 旅の最後、イロイロ空港で出会った絶品お菓子「イェマ」。一言でトロジャリ生キャラメル。
練乳のようなコクある甘さに、トロジャリッと心地よい食感。非常に甘くて1個で大満足。20ペソとコスパ良し。
しかし、旅の締めにこんなの食べるもんじゃないな。また来たくなっちまうから。
グルメAIによる解説
イェマ(Yema)の概要
イェマ(Yema)は、フィリピンにおける代表的な伝統菓子で、主にコンデンスミルク、卵黄、砂糖を材料とする濃厚なキャラメル状のスイーツである。スペイン植民地時代の影響を色濃く受けており、「イェマ(Yema)」はスペイン語で「卵黄」を意味する。製造方法や形態は地域や家庭により様々であるが、共通してまろやかな甘さと滑らかさ、時折感じるほろほろとした食感を持つ。
歴史的背景
イェマの起源は19世紀のスペイン統治時代に遡る。当時は修道院やスペイン人家庭で菓子作りに卵白が多く使われ、余った卵黄は砂糖やミルクとともに新たなスイーツへと再利用された。この伝統がフィリピンにも伝わり、現地の材料や嗜好に合わせて独自の進化を遂げた。スペインの「イェマ・デ・ウエボ(Yema de Huevo)」を原型としつつ、現在のフィリピン版イェマはより簡素で濃厚なものが主流となっている。
製法とバリエーション
イェマの基本的な作り方は、コンデンスミルクあるいは練乳を鍋で加熱し、卵黄と砂糖を加えて焦げ付かないように絶えずかき混ぜながら加熱する。やがて生地はとろみを帯び、もったりと固まり始める。十分に冷ました後、手や器具で好みの形に成形し、最後に透明フィルムや色鮮やかなセロファンで包まれる。一般的な三角錐や球形のほか、地域限定形やアーモンド・ピーナッツなどのナッツ類を加えたバリエーションも存在する。
主なバリエーション
- Yema Balls:手のひらサイズの球状。一般的で食べやすい。
- Yema Cake:スポンジケーキの上にイェマ風味のソースをかけた現代的アレンジ。
- ピーナッツ入りイェマ:刻んだナッツを加えて食感をプラス。
- カプセル型・三角形包装:保存性が高く携行向き。お土産として人気。
食文化における位置付け
イェマはフィリピン全土で親しまれており、子どものおやつや祝祭時のスイーツとして人気が高い。特に学校や公共施設、空港、市場などで気軽に購入できるのが特徴で、路上の小規模業者(サリサリストア)でも頻繁に販売されている。また、地方ごとに独自の味付けやパッケージが発展しているため、観光客にとっては現地ならではのお土産の定番である。
栄養面と特徴的な味わい
イェマの主成分はコンデンスミルクと砂糖であり、高糖質・高カロリーであるが、卵黄が加わることで風味に奥行きとコクが生まれる。とろみのある食感、ザラリとした舌触り、そしてしっかりとした甘さが特徴で、ひとつ食べただけでも満足感が得られる。そのため、コーヒーや紅茶と一緒に味わうのが伝統的なスタイルである。
まとめ
イェマはスペイン起源の卵黄スイーツがフィリピン流に進化した結果生まれた、手軽で奥深い伝統菓子である。イロイロ国際空港など、旅の途中で気軽に購入できる地元の味として、今なお多くの人に親しまれている。フィリピン経済の成長や観光需要の高まりにより、包装デザインや味にも工夫が凝らされ、お土産需要も高まっている。異国と伝統が融合したほのかな郷愁を感じさせる一品であり、フィリピン文化の甘味の代表例といえる。