パレスマミ
パレスマミ(Pares Mami)は、フィリピン発祥の牛肉麺料理で、主に牛肉のとろみスープと中華風の麺を組み合わせた一品である。もともと牛肉の煮込み料理「パレス」と中華麺料理「マミ」のふたつを掛け合わせた料理として知られ、1970年代後半にマニラで誕生したとされる。現在では屋台やナイトマーケット、大衆食堂などで広く親しまれており、バギオを含む国内各地で味わうことができる。
- 味評価
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- 価格
- ? フィリピン・ペソ
- 食事日
- 2023/01/01
- 食べ歩きの記録
- 飲食店が発祥のグルメは手堅い?!
牛の出汁タップリな麺料理「パレスマミ」
牛のとろみスープは塩気と甘みが絶妙で絶品。麺はやや弾力不足だが あと一歩で日本のラーメンとも戦える!
1979年にマニラのとある食堂で誕生とのこと。
飲食店の美味い料理は真似されて広まる運命なのかも。
グルメAIによる解説
パレスマミの概要
パレスマミ(Pares Mami)は、フィリピンを代表する牛肉を使った麺料理であり、その発祥は1979年、マニラの飲食店に端を発する。名前の由来は、「パレス(Pares)」がフィリピン語で「ペア」や「組み合わせ」を意味し、従来は牛肉煮込みとガーリックライス、スープのセット料理で知られていたが、そこから発展し、麺が組み合わされたのがパレスマミである。特にストリートフードやナイトマーケットの定番メニューとして親しまれており、今回紹介する一杯は、フィリピン・バギオのナイトマーケットで提供されたものにあたる。
歴史的背景と誕生
パレスマミのルーツとなった「パレス」は1979年、マニラのキアポに存在した「ジョナンズ・パレス」とされる食堂で考案されたと言われている。この料理は、もともと中国系フィリピン人が営業していた食堂文化が色濃く反映されており、ラーメンや中華そばとは異なる独自のエッセンスを加えながら進化してきた。それまで別々に食べられていた牛肉の煮込み(パレス)と麺(マミ)が一つの器で出されるようになり、都市部を中心にフィリピン全国へと普及した経緯がある。
現代フィリピンでの位置付け
パレスマミは、手軽に食べられる軽食のひとつとして、首都圏マニラから地方都市まで、屋台やカレンデリア(大衆食堂)、ナイトマーケットで見かけることが多い。とろみが効いた牛肉のスープが最大の特徴で、甘じょっぱい味付けとコクのある牛出汁が複雑に絡み合う。また麺は、中華麺やローカルの卵麺が用いられ、店舗や家庭ごとの微妙な違いがある。多くの場合、青ねぎ、揚げにんにく、刻み玉ねぎ、牛脂やパクチーなどがトッピングされる。フィリピンの人々にとっては、手軽かつボリューム満点な軽食、夜食として長年親しまれている。
類似料理との関連性
フィリピン料理の中でパレスおよびマミは、元来中華料理から影響を受けつつ、現地の食文化に合わせて独自進化した代表的なメニューである。〈パレス〉は牛の煮込み料理として〈マミ〉は麺料理として別々の存在であり、それぞれ中華系移民による影響を強く受けている。マニラの「ビノンド」(チャイナタウン)周辺では、さらにバリエーション豊かな「パレスマミ」が提供されている。質の良い牛肉やスープ、麺の種類やコシなど、各店でこだわりが反映されている点も食文化としての魅力と言える。
調理法と特徴
スープ
パレスマミの最大の特徴は、濃厚な牛骨出汁に甘さと塩気のバランスが効いたとろみスープである。醤油や砂糖、スターアニス、にんにくなどのスパイスも使用され、中華系の深い旨みが感じられる。とろみにはコーンスターチやタピオカ粉などの片栗粉が使われることが多い。
麺
麺は黄色みがかった卵麺またはローカル中華麺で、コシや弾力の観点からも日本や中国の伝統ラーメンと通ずる部分があるものの、フィリピン独自のやや柔らかく素朴な食感が特徴的である。
トッピング・具材
薄切りまたは角切りの牛肉、時には牛筋肉も入る。具材としてチンゲンサイや青菜、刻みねぎ、フライドガーリックが彩りと風味を加える。また、フィリピン流にお酢、唐辛子、レモン(カラマンシ)、魚醤などの味変アイテムを加えることもある。
地域ごとのバリエーション
マニラをはじめとする都市部以外にも、フィリピン各地のローカルフードとして独自アレンジが広まっており、バギオのような高地都市でもナイトマーケットを中心に人気が高まっている。気候の寒暖差が大きい地域やチョーキーな都市部では、特に夜や朝食シーンに重宝されている。
食文化的意義と今後
パレスマミは中華文化の流入と現地化の象徴であり、リーズナブルで栄養価も高いことから庶民の定番食として定着してきた。今後もストリートフードとしてのみならず、観光客向けレストランやカフェなど、新たな提供形態への広がりが期待されている。また、日本のラーメンカルチャーとも共通点が多く、アジア麺料理の多文化的な広がりを示す事例でもある。