ゴイシーミー
ゴイシーミー(ก๋วยซี่หมี่)は、タイ王国の首都バンコクをはじめとする都市部を中心に提供される中華系麺料理である。細めの中華麺に鶏肉やタケノコ、時にしいたけなどの具材を加え、醤油ベースのとろみ餡で仕上げる点が特徴とされる。中国系移民の食文化が色濃く反映された料理であり、タイ華人街やその周辺の食堂、レストランなどで広く親しまれている。
- 味評価
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- 価格
- 80 バーツ
- 食事日
- 2024/04/30
- 食べ歩きの記録
- バンコクで創業80年超の老舗でゴイシーミー!
クリアでキラキラなあんかけに目を奪われ、麺にタケノコ、鶏肉がモリっと美味しくほっぺを奪われる。なに?ここの看板メニューはカオナーガイだと!また行かねば!
お店に心まで奪われた私、なんとかタイ渡航資金を作ったら内臓も奪われた。
グルメAIによる解説
ゴイシーミーの概要
ゴイシーミー(ก๋วยซี่หมี่)は、タイ王国で提供される中華系麺料理の一つであり、特にバンコクの華人系レストランや食堂で見かけることが多い。伝統的には細めの中華蒸し麺や揚げ麺を使用し、鶏肉、筍(タケノコ)、時にしいたけなどを具材にした、とろみのある醤油ベースの餡(あん)で仕上げられている。この料理は、中国語で「シーミー(細麺)」を指す言葉が用いられており、中華街にルーツを持つことを示唆している。メニュー名の「ゴイ」は「クイッ」= クイッティアオ(麺類)から由来しており、タイの国民食であるクイッティアウの派生形といえる。
特徴と調理法
ゴイシーミーの最大の特徴は、透明感のあるとろみ餡と、鶏肉やタケノコの具材の組み合わせである。餡には通常、鶏のスープ、醤油、オイスターソースが用いられ、コーンスターチやタピオカ粉などでとろみを持たせている。日本でイメージされる「中華丼」にも通じる構成だが、ゴイシーミーは麺と餡がしっかり絡み合い、麺そのものの風味や歯ごたえが失われない工夫がなされている。具材には、丁寧に下味がつけられた鶏肉や、シャキシャキとした食感を残したタケノコが多用される。
食文化における位置づけ
ゴイシーミーは、タイに根付く中華系移民の影響を色濃く受けた料理であり、バンコクやチョンブリー、ラヨーンといったタイ中部~東部の都市部で特に人気が高い。家庭での食事というよりは、食堂やレストランで手早くいただく料理として認識されている。特に華人街にある老舗店では、シンプルながらも奥深い味を提供しており、現地では老若男女問わず人気が高い。現地タイ人だけでなく、中華系タイ人の間でも日常的な料理のひとつである。
バンコク「Poon Lert Room」での提供
バンコク屈指の老舗食堂「Poon Lert Room(ห้องอาหารพูนเลิศ ข้าวหน้าไก่ เหลาะงาทิ้น)」でもゴイシーミーは看板メニューの一つとして提供されている。本店は80年以上の歴史を持ち、「カオナーガイ(鶏肉のせご飯)」で有名だが、ゴイシーミーも熱心なファンが多いメニューである。同店のゴイシーミーは、キラキラとした透明感ある餡、たっぷりの鶏肉、シャキッとしたタケノコが特徴で、多くの来店者から高い評価を受けている。また、練れた調理技術が光る餡のとろみや塩梅は、老舗ならではの伝統の味として、地元だけでなく世界中から訪れた食通にも愛されている。
現地でのバリエーションと関連料理
ゴイシーミーは、店舗によっては海鮮や豚肉、きのこ類が加わることもあり、餡の味付けも微妙に異なる。太麺を使用するバリエーションや、麺を揚げてパリパリに仕上げる「バミークロップ」を加えたバージョンも提供されている。また、タイ中華料理の「ラートナー(ข้าวราดหน้า)」や「カオナーガイ」とも近しい位置にあり、麺と餡を主軸としたタイ・中華料理のユニークな融合例として評価が高い。
まとめ
ゴイシーミーは、タイ中華食文化を象徴する麺料理であり、バンコクの老舗をはじめ数多くの食堂で親しまれている。鶏肉とタケノコのシンプルな組み合わせに上品な餡をまとわせた一皿は、現地の人々だけでなく、旅人にとっても忘れがたい味覚体験を演出する。タイにおいて麺料理は多種多様な発展を遂げており、ゴイシーミーはその中で中華とタイの技法が見事に融合した一品といえる。